会社登記はパズルのようなものだと常々思ってて、答えのあるものって結構性に合ってるんです。
だから裁判じつは嫌いなんです。
事実確認して法律構成して、ここがいちばん大事ですが公正と正義にかなうと信じて主張していくわけです。そしてこれも性分ですから120%力を尽くす。
だけどそれが通らないことがある。事実の争いで立証責任で認められなかったならそれはそれでルールですので納得ですが、法的主張で勝てないことがある。それは相手方が優秀とかではなくて、じつは裁判官次第というところがとっても大きい。
公正と正義にかなうと信じるところを主張していくのですよ。条文を調べて自分の頭で考え抜いて書籍を読み判例を調べて120%の力を出し切って書面を作るのです。
それを好意的に受け取ってくれる裁判官は意外と少ないということだけ指摘しておきます。
好意的どころか、今はもう怖くてできないです。
同業者がこの時代にいったいどんな書面を作って訴訟を追行しているのか、簡易裁判所なら代理人として問題なくできる120%の力で戦うということが地裁になった途端、弁護士法72条違反ということでできなくなっているのですよ。
自分にとってもリスクが大きすぎかつ依頼人の利益も守れない。
どう考えてもできないですよ。
最高裁に上告までやったの、今思えば無謀もいいところです。
今はもうできるとしたら簡易裁判所で必ず完結する抵当権抹消訴訟や家屋明渡し訴訟だけです。
正直簡裁代理権は返上すればいいと思っています。
控訴審上訴審で戦えないような代理権なんてへなちょこもいいところです。
というわけで、人次第じゃなくて必ず答えが出る会社登記はとっても性分に合っています。
久々の株式会社移行の登記です。本題までが長い長いグチでした(^^;)
株式会社移行と同時に本店移転ってけっこうあると思うのですよね。そして同日でお願いしますと依頼人に何気に言われて焦ります。もちろん同日の本店移転は可能です。
まず、移行の登記と本店移転登記を同一の申請書で申請することはできなくて移行登記の前か後に申請することになります。
移行登記の前に本店移転登記を入れると移行後の履歴事項証明書には本店移転登記が記載されません。そうすると会社の同一性が見えにくくなってしまいます。普通の会社は履歴を見えにくくしてほしいなんて要求はないです。
そこで
という順番で出します。
これなら株式会社の新しい履歴事項証明書に本店移転事項も記載されます。
ただ株式会社移行は登記が効力要件(登記が受け付けられて初めて株式会社になる)なので株式会社として本店移転の決議をするのは移行の登記を出した後になります。
時系列でいうと
①現実のお引越し→②移行登記申請→③株式会社として本店移転決議→➃本店移転登記
ですから②の移行登記と➃の本店移転登記を連件で出しちゃうといつ決議したんですか?ということになってします。
たとえば、朝9時に②の移行登記を出して10時に③の決議をしていただいて11時に➃の本店移転登記を申請するわけです。これならパズルがピタッと嵌りますヽ(^o^)丿
(もちろん現実の引っ越しは本店移転登記申請前ならどこでしていただいてもかまいません)
ところが法務局から電話がかかってきたんですね。法務局から電話がかかってくると寿命が5秒は縮みます。(司法書士はみんな、そう)
本店移転登記を申請されてますがそんな会社ありませんと。
はい。オンラインで出しました。移行の登記が受け付けられたからといってすぐに何か株式会社の見出しというか表紙のようなものができるわけではないようです。
もちろん説明したら分かっていただけましたが。
これ何か寿命が5秒縮まない解決方法あるんでしょうかね?紙申請なら「本日受付番号〇〇番で株式会社移行登記申請した株式会社〇〇の本店移転登記です」って付箋貼っとくだけでいいと思うんですね。
オンライン申請は付箋貼れないし備考に書いてもそこまで見ないでしょうし。
しかし、論理的には同日の本店移転登記OKですというお話です。